5KBのゴングショー第242戦勝者

「妖精の尻尾」

りあるふぉーす46

 半端なものを買い集めるのが私の仕事だ。
 彼私の集めたものを売るのが仕事だ。
 彼と私は持ちつ持たれつだ。
 半端なものでも彼はそれをどこでか知らぬが、全部売りさばいて来る。
「すごいですね」
「え、なにが」
「だって、こんなものを全部売ってきてしまうなんて」
 彼は微笑みながら、
「いや、こんなものを集めてくることに比べたら大したことではありませんよ」
と言った。
 お互い向き不向きが逆なのがいいのだろう。
 もし彼も私と同じように買うのが得意だったら、私たちの共同事業はすぐに立ち行かなくなったろう。
 しかし、先日、強大なライバル現れた。
 彼らは半端ものを自分のところで製造し、それを販売している。資本力もあるので私たちのような零細商店では太刀打ちできない。
「もうそろそろ止めようか」
「そうだな」
 彼も私も無理しないので、揉めることもなく事業を畳んだ。
 清算した結果、いくばくかのお金ができたので、それまでのご褒美として二人で長い旅に出た。
 世界中をいろいろ巡った結果、新しい商売の種を見つけることもできたしで、メデタシメデタシだ。
 戻ってきてもどうせあのライバルがいるので、元の場所には帰らず、旅の途中で見つけた良さそうなところで商売を始めてみると、予想以上に儲かってしまった。
 昔の友人たちに手紙でその話をしたら、彼らも彼の地を去って、それぞれに新天地で生きていくことにするということだった。
 伝え聞くところによると、あの強大なライバルは急にお客がいなくなったせいで在庫を大量にかかえてしまい、それで潰れてしまったという話だ。
 世の中というのは本当に判らないものである。

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