昨年夏にドイツ政府が(当初の2036年ではなく)2022年までに原子力発電を段階的に廃止する計画をまとめると、テネットやアンプリオン、50ヘルツ、EnBWといった送電事業者は、ハンブルクとシュツットガルトが弱点になると判断した。特に、工場の電力需要に加え家庭の暖房と料理の電力需要が生じる冬場の夜には需給が逼迫する。
■欧州レベルの影響の可能性も
2月初旬には、全国規模の停電に対する各社の懸念が欧州レベルにまで膨らんだ。折しも寒波がロシアからの天然ガス供給を滞らせた時に、フランスでの価格上昇を受けてエネルギー商社がドイツの電力を大量に輸出したためだ。
従来であれば、送電網を運営する事業者は原発事業者に発電量を増やすよう要請していた。だが、総計20GWのうち8GW分の設備が閉鎖された今、これは選択肢にならなかった。結局、各社は約10日間にわたりドイツ南西部とオーストリアにある古い予備のガス火力発電所を利用した。
「我々にはもう、危機の時に対策を講じる余地を与える予備設備がない」とヴァインライヒ氏は言う。「もし大規模な発電所を失ったらどうなる?」。その際は欧州全土の特定地域で電気を消す「計画停電」を余儀なくされるという。
■ガス発電所や送電線の増設にハードル
南部でのガス火力発電所の増設や北部から電力を運ぶ追加の送電線の敷設をはじめとした解決策には異論がない。ただし、計画が実行されるかどうかには疑問が残る。
投資家はガス火力発電所を建設したがらない。再生可能エネルギーが法律で優遇されているため、ガス火力発電所は風力発電を補完するものとして、たまにしか稼働しないかもしれないからだ。追加の送電網敷設(政府機関によると、そのコストは電力料金を8%押し上げる可能性がある)は、計画段階で滞っている。
政府は、予備のガス火力発電所を建設するインセンティブを検討していると言う。また、今夏には包括的な送電網計画を明らかにすると約束しており、長期的に電力価格は上昇しないと話している。
だが、ハンブレヒト氏は、計画実行のスピードとユーザーにかかるコストについて心配している。欧州最大の工業国には「信頼でき、クリーンで手ごろなエネルギー供給」が必要だと同氏は言う。
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