米アマゾン・ドット・コムは8月16日、パソコン向けソフトのダウンロードストアを日本でオープンした。これまで店頭販売されていたパソコン向けソフトを、ネット流通でダウンロード販売する仕組みだ。現在のタイトル数は約500タイトル。実は日本におけるパソコン向けの本格的なソフトのネット流通は極めてニッチ(隙間)な分野である。それでもアマゾンが参入するのは、急速に拡大しているゲーム市場の可能性を見据えた上でのことだ。
■日本では極めてニッチなPCゲームのパッケージ市場
日本では、パソコン向けのパッケージゲーム市場は様々な要因から極めてニッチな市場になっている。収益を出しにくい市場だからだ。
取引慣習として、一般書籍と同じように店頭に並んだゲームの返品は、店頭側の意思で自由にできてしまう。また、中間マージンも流通と店頭で5割以上取られ、在庫リスクの大きさも考えると、ゲーム会社にとっては利幅が小さいビジネスなのだ。
また、ゲーム機のスペックは5年程度なら一定にとどまってくれるが、パソコンは日々進化してしまう。つまりゲームの動作環境がすぐに変化してしまうために、安定したビジネス環境が成立しない。結果的に、日本では、安定的な価格帯に落ち着いている家庭用ゲーム機向けゲームに押され、販売本数は伸び悩み、数千本の販売ができれば大ヒットという小さな市場になっている。
そのため、ニッチな市場に合わせる形で、定価も驚くほど高いことがめずらしくない。8000円から1万円を超えるような価格設定になっている場合すらある。アメリカでは50ドルで販売されているゲームが、日本語化するだけで、9000円近い価格で売られるようなことが起きている。海外で販売されているゲームの販売権を取得するためには、最低販売本数の契約を結ぶことが普通だ。そのため、販売見込みが少ないにもかかわらず、その契約分の費用が上乗せされるため高価格になり、さらに販売が厳しくなる。
それが、さらにパソコンでゲームをするユーザーを減らすという悪循環に陥っている。特に、家庭用ゲーム機のコントローラーに向かない、マウスを使うような経営シミュレーションや戦略ゲームはだんだんと作られなくなってきている。
特に傑作ゲームとしてよく知られている文明育成ゲームの「シビライゼーション」シリーズは、大量のテキストが出てくるために日本語化されていないと、遊び続けることが難しいゲームだ。しかし、それが日本語化されただけでアメリカでの2倍近い値段設定になっていることも原因となって、日本では限られた人だけが遊ぶゲームになっていた。
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