高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)が哺乳類でも空気感染することを示した日本とオランダの論文に対し、バイオテロに関する米政府の委員会が内容の一部削除を求めていた問題で、委員会は30日、一転して論文の全文公表を認める声明を発表した。
2論文が投稿された英米の科学誌ネイチャーとサイエンスの編集長は、委員会の声明を歓迎するコメントを発表。論文は全文掲載される見通しとなった。
委員会は昨年末、「テロに悪用されかねない」として実験の詳細を論文から削除する勧告を出した。しかし、著者らから提示された追加データなどを検討した結果、公表してもテロには直結しないと判断。河岡義裕・東京大学医科学研究所教授らの日本の論文については全会一致で、オランダの論文については賛成多数で、全文公表を認めた。