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〈ルポ・100万部超ベストセラーを追う〉
女性の�猊奮吻瓩辰董⊇�らしさのこと？
――杉浦由美子
「よき女性らしさを、職場や家庭に持ち込んでほしい」と説く新書『女性の品格』が売れに売れている。「女性らしさ」が重要、という内容に、著者の坂東眞理子氏が推進してきた「男女共同参画」の精神に反するのでは、という疑問の声も聞かれるが……。ヒットの秘密と、賛否両論、読者の意見を聞いた。
●8割が女性読者
東京都中央区の銀座通りを歩いていると、書店の前で、ワゴンに並べて売られている本が目に入ってくる。
100万部以上のベストセラーとなった坂東眞理子著『女性の品格』（ＰＨＰ新書）だ。同じく、女性論として話題になった酒井順子著『負け犬の遠吠え』が34万部（２００６年３月末時点）というから、各所で注目を集めたこの本の、３倍以上売れていることなる。
女性客が多い銀座にかぎらず、全国の書店でも軒並み平積みになっているようだ。
臙脂色の表紙に書かれた「女性の品格」というタイトルだけみると、なんだか保守的な印象を受けて手を伸ばしにくいが、「本が売れない！」と出版社や書店が嘆く時代、これだけ売れるのには理由があるはずだ。
実際に同書を読んだ女性たちの感想を聞いてみると「お説教されているみたいで嫌な気分になった」（40代主婦）というやや違和感ありとする意見と、「バイブルにしたい」（20代会社員）という肯定的な意見に分かれる。筆者自身もタイトルで食わず嫌いをしていたが、読むと心が満たされた。20代の女性たちにも好評のようだ。
新書の主な読者層は中高年の男性だが、『女性の品格』は読者の８割が女性だという。なぜか？
ある新書編集者によると、20代に限れば男性よりも女性のほうが多く新書を読んでおり、その層に受け入れられたことでヒットにつながり、さらに幅広い世代にも波及、大ベストセラーになったのではないか、という。
（『婦人公論』 2007年9月7日号より一部抜粋）
婦人公論 2007年9月7日号(8月22日発売)
定価550円(本体価格524円)
表紙: 長谷川京子
2007年9月7日号(8月22日発売)
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