九州経済調査協会(福岡市)は26日、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業後の輸送動向調査をまとめた。熊本と大阪間のJRの旅客シェアは、開業前は2割にとどまっていたが、調査では開業後約5割に上昇し、航空機と逆転したとみている。
熊本、福岡、鹿児島、大阪の4府県の1648人にことし2月にインターネットでアンケート。2009年度の国の旅客地域流動調査と比べた。
熊本-大阪では、全線開業前の09年度はJRの19・9%に対し、航空機が79・8%と大きく上回っていたが、開業後はJRが48・5%、航空機が39・9%と逆転した。鹿児島-大阪でも、開業前がJR5・1%に対して航空機84・2%だったが、開業後はJRが31・9%と、航空機の57・0%に迫っている。
現在、熊本-新大阪の新幹線の所要時間は最速2時間58分で開業前から59分短縮。駅までのアクセス時間や運行本数で優位にあるJRのシェアが高まったと分析している。
ただ、熊本-新大阪の直通列車「さくら」の所要時間3時間20分と同程度の愛知-福岡、東京-岡山では、JRのシェアがそれぞれ52・7%、58・8%(09年度)と高い。このため、同協会は「JRが所要時間や運行本数を工夫すれば、航空業界とのシェア争いはさらに激しくなる」とみている。(井村知章)
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