スピリチュアリズムとは、どのようなものであるのか、おおよそ理解していただけたものと思います。最後にこれまでの内容を整理する意味で、もう一度スピリチュアリズムの定義を取り上げます。スピリチュアリズムの本質とは何か? その本質を簡単に言えばどのようになるのか?――これが“スピリチュアリズムの定義”となります。
スピリチュアリズムについては、それを計画し展開するスピリチュアリズム運動の主役・主導者である霊界の高級霊の立場と、その計画の対象となっている地上人の立場では見方が違ってきます。“スピリチュアリズム”という同じものを眺める視点が、霊界人と地上人では全く異なっています。
したがって霊界サイドからのスピリチュアリズムの定義と、地上サイドからのスピリチュアリズムの定義という二通りの定義が成立します。言うまでもないことですが、霊界サイドからの定義こそが、スピリチュアリズムの本質を最も端的に言い表しています。したがってこれが、スピリチュアリズムの1次的定義(根源的定義)ということになります。それに対し地上サイドからの定義は、2次的定義ということになります。
霊界サイドから見たときスピリチュアリズムは、どのように定義されるでしょうか。スピリチュアリズムの主役・主導者は、霊界にいる高級霊たちです。彼らは地上世界の悲劇を解決して地球人類を救うために、一大救済計画を立案しました。それが地上に展開して、地上のスピリチュアリズム運動となりました。そしてその後も、最初の計画どおりに霊界を挙げての働きかけが続けられています。スピリチュアリズムのさらなる発展、霊的真理普及の拡大を目指して、霊界から活発な活動が展開されています。その結果、地球は徐々に進化向上し、改善の道をたどることになりました。そして今この時も、地球上から悲劇をなくすために、霊界から総力を結集した懸命な働きかけがなされています。
イエスを中心とする高級霊たちが、もし地球人類を救済しようと決意しなかったならば、現在、地上で展開しているスピリチュアリズム運動は存在しませんでした。スピリチュアリズムのすべては、地球人類の救済を願う高級霊たちの決断から出発しているのです。
スピリチュアリズム運動を主導する側から見たときの“スピリチュアリズム”とは――「霊界主導の地球人類救済プロジェクト」ということになります。これがスピリチュアリズムの本質を最も的確に表現している定義であり、一次的定義(根源的定義)となります。そうした霊界の高級霊による地球人類救済計画を細分化して見ると、そこにさまざまなスピリチュアリズムの小定義が成立しますが、それらについてはこれから順次、明らかにしていくことにします。
これまでスピリチュアリズムについて、さまざまな定義が試みられてきました。しかし、そのいずれもが地上サイドから見た定義でした。スピリチュアリズムの一番の本質的定義は、先に述べたように「霊界主導の地球人類救済プロジェクト」となりますが、それを地上人の側から見ると、さまざまな定義が成立することになります。地上サイドから見たスピリチュアリズムの定義については、すでに少しずつ取り上げてきましたので、ここではその全体をもう一度整理します。
地上サイドから見た“スピリチュアリズム”とは――まず「宗教の形式をとらない新しい心霊啓蒙運動」そして「地球人類史上、初めての地球規模の宗教改革運動」ということになります。宗教にとっての最大の使命でありテーマである死生観・死後観・霊魂観に明確な解答を与え、これまでいずれの宗教でもなし得なかった「霊的革命・宗教革命」を起こすのがスピリチュアリズムということです。
さらに地上サイドからスピリチュアリズムを見ると――「地球人類の霊性復興運動」「地球規模の霊的覚醒運動」ということになります。地上人類の悲劇の元凶である「霊的無知」を解決するために、霊界から「霊的真理」が伝えられました。それを受け入れるところから地上人の救いの道が始まります。霊的真理と出会い、それを受け入れ実践することによって、地球全体を支配してきた「物質至上主義・利己主義」という霊的成長の阻害要因が取り除かれていくことになります。
スピリチュアリズムは、霊的真理に基づく一人一人の人間の「霊的成長の道」であると同時に、地球人類全体にとっても「霊性復興の道」となっています。その意味でスピリチュアリズムは――「霊的真理による霊的同胞世界確立の大プロジェクト」と言えるのです。
以上の内容を整理すると、次のようになります。
―――霊界サイドから見たスピリチュアリズム
―――地上サイドから見たスピリチュアリズム