くまにちコム:熊本のニュース速報なら熊本日日新聞

テキスト版サイトマップ


くまにちコム トップ > 熊本のニュース > 弾力運用の申請ゼロ 水俣病救済の生活保護


地域ニュース

弾力運用の申請ゼロ 水俣病救済の生活保護 2012年03月22日

 水俣病の未認定患者救済に伴う一時金を収入とみなされ、生活保護を打ち切られた問題は昨年9月、収入から除外する「自立更生費」の対象を広げる現行制度の弾力的運用で決着した。しかし半年が経過した現在も、その適用を申請した人はゼロのまま。被害者団体からは「地元のニーズに合っていない」と指摘する声も出ている。

 一時金の210万円は、水俣病特別措置法による救済対象者と集団訴訟の和解対象者に支給されている。これを収入とみなす厚生労働省に対し、県は全額を収入から除外するよう要望。協議の結果、町内会への参加費などを新たに自立更生費に加えるほか、電動車いすや墓石などの購入費の上限を引き上げることとなった。

 県社会福祉課によると、この決定を受け各福祉事務所が、生活保護世帯で一時金を受給した105世帯(2月末現在)を戸別訪問。連絡が取れなくなるなどした8世帯を除く全世帯に弾力的運用について説明したが、運用に沿った収入除外の申請はなかったという。

 105世帯のうち、既に生活保護が打ち切られたのは95世帯。

 「水俣病不知火患者会」(水俣市)は「被害者が収入から除外してほしいのは、通院のため必要な車の購入費など。広げたとされる項目は実情が反映されていない」と指摘。支援団体の「全国生活と健康を守る会連合会」(東京)は「補償金を収入とみなすこと自体おかしい。自立更生費の対象をもっと拡大すべきだ」と訴える。(石貫謹也)


九州地区高校野球熊本大会 携帯版「くまにちコム」で速報!

24日から開催されている九州地区高校野球熊本大会を、携帯版「くまにちコム」でイニング速報。63校が熱戦を繰り広げ、優勝校と選抜大会推薦枠の九州学院が九州大会に出場します。[携帯版「くまにちコム」詳細]


フォトニュース






個人情報保護方針著作物の利用についてお問い合わせ

↑このページの先頭へもどる


「くまにちコム」に掲載の記事、写真等の無断転載は禁じます。著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。

Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun