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岩手から搬入のがれき線量、基準下回る…埼玉
県が実証試験
東日本大震災で発生したがれきの広域処理を巡り、埼玉県は25日、受け入れる意向を示したセメント工場に、岩手県野田村のがれきを運び込み、放射性物質などを測定する実証試験を行った。
被災地の支援はしたくとも、安心・安全の面も重視せざるをえない――、こうしたジレンマを抱える地元自治体や住民の判断材料となる。
この日、太平洋セメントの熊谷工場(熊谷市)と埼玉工場(日高市)、三菱マテリアルの横瀬工場(横瀬町)には、野田村のがれきが計84トン運び込まれた。被災住宅の柱材を岩手県で木くずに破砕したもので、セメント製造の燃料や材料として資源利用される。
実証試験には熊谷工場で富岡清・熊谷市長ら74人、埼玉工場で大沢幸夫・日高市長ら39人、横瀬工場で加藤嘉郎・横瀬町長ら39人が立ち会った。地上1メートルの高さで測定したがれきの空間放射線量は、3工場で毎時0・037~0・058マイクロ・シーベルトと、いずれも県が定めた基準の毎時0・23マイクロ・シーベルトを大きく下回った。
セメント製造過程で発生する排ガスの放射性物質濃度などは1~2週間以内に測定結果が出る見通し。国や県の基準を下回れば、県は5月中にも地元自治体などの了解を得て、2012、13年度に、3工場で計4万2000トンを処理したい考えだ。
立ち会った熊谷市内の自治会長を務める佐藤保さん(66)は「測定値が低くて安心した。震災復興に協力したい」と話した。県資源循環推進課の森美秀課長は「測定値は低く、住民の皆さんに理解いただけるのでは」と述べた。
(2012年3月26日 読売新聞)
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