2012年2月1日 19時2分 更新:2月1日 19時16分
国土交通省は、政府が昨年末に金沢-敦賀間の着工方針を決めた北陸新幹線の関西方面への接続手段として、車輪の間隔を広げたり狭めたりして新幹線と在来線を直通運転できるフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の導入を検討していることを明らかにした。大阪発の在来線が敦賀で乗り換えなしに新幹線軌道に乗り入れ、北陸主要都市方面に乗客を運べるようにするなどして、同区間の収支採算性を高めるのが狙い。
1日に開かれた金沢-敦賀間など整備新幹線未着工3区間の収支採算性や投資効果の検証を行う有識者会合で、国交省は同区間の採算性向上の一案として、湖西線経由で大阪と北陸方面を結んでいる特急「サンダーバード」を、フリーゲージトレイン化することを想定していることを明らかにした。
ただし同区間の建設費(1兆1300億円)と別に導入費用がかかり、維持費用も通常車両より膨らむ懸念があるため、JR西日本などとの調整が課題となりそうだ。
金沢-敦賀間の完成(25年度予定)で東京から敦賀までは新幹線が運行されるが、北陸新幹線は最終的に関西エリアまでの延伸が構想されている。ただし敦賀以西のルートは現状では未確定で、財源不足もあって建設のめどは立っていない。【三島健二】