政府が消費増税関連法案を閣議決定した。連立を組む国民新党が分裂状態に陥るなどの混乱が生じているが、野田佳彦首相はぶれることなく、法案成立に突き進んでもらいたい。
国民新党の亀井静香代表は関連法案に反対する立場から、野田首相に連立を解消する意向を伝えた。しかし同党の自見庄三郎金融相は法案の閣議決定に署名し、下地幹郎幹事長らとともに連立を維持する考えを示している。
8人いる国民新党議員の多くは亀井氏に同調せずに、連立に残る見通しだ。このため首相の政権運営への影響は小さいとみられる。
亀井氏は一貫して消費増税に反対してきた。最重要政策で見解を異にする以上、連立政権から離れるのは当然だ。国民新党内の亀裂が決定的になったことを踏まえ、分党や解党などの形で事態収拾を急ぐ必要がある。
民主党では、消費増税に反対する小沢一郎元代表に近い議員の間で政務三役などの集団辞任論が浮かび、黄川田徹総務副大臣らが辞表を提出した。ただ、これに慎重な議員もいて一枚岩ではない。
政府が閣議決定したこれほどの重要法案に反対なのに、政務三役などを辞めないのはおかしい。むしろ度重なる機関決定に異を唱え続けるなら、役職辞任にとどまらずに、離党するのが筋である。
何度も繰り返される民主党の内紛劇や、今回の国民新党のお家騒動は、既成政党への信頼感を著しく損ねた。法案成立のかぎを握る自民党も百家争鳴状態で、対応が定まらない。
有権者の政治不信は深刻だが、政策を中心に離合集散が進んでいくとすれば、それは政党を立て直す契機となろう。
首相は30日の記者会見で「政局でなく大局に立つなら、政策のスクラムを組むのは十分可能だ」と述べ、野党に協力を求める考えを示した。「決められない政治」から脱却できるかどうかの正念場である。与野党はそうした危機感をもって審議に臨んでほしい。
亀井静香、小沢一郎、野田佳彦、自見庄三郎、下地幹郎、黄川田徹
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