環境省は三十日、県内二地点で水底の泥に含まれる放射性ストロンチウムを測定した。県内で放射性ストロンチウムを測るのは初めて。桐生市の小黒川・萱野橋では一キログラム当たり〇・七ベクレル、みなかみ町の藤原ダムでは同二・〇ベクレルが検出された。
同省が県内を含む関東、東北六県の計二十二地点で測定した値は同〇・四〜六・八ベクレル。東京電力福島第一原発事故前の二〇〇九年度の全国調査結果では同〇・二〜一四ベクレルだった。
このほか、県内の河川や湖沼など四十七地点で、水底や周辺の土壌などに含まれる放射性セシウムの濃度や空間放射線量を調べた結果を発表した。
調査は二回目で、期間は二〜三月。昨年十一〜十二月に行った初回調査と同じ地点を調べたが、凍結して調べられない所もあった。初回の結果は一月十三日に発表している。
水底の泥では、利根川の群馬大橋(前橋市)の一キログラム当たり四一〇ベクレルが最高。周辺の土壌では利根川の大正橋(渋川市)で同五六〇〇ベクレルが最高。空間放射線量は桜川の川場村谷地の毎時〇・四三マイクロシーベルトが最も高かった。
県環境保全課の担当者は「泥に吸着した放射性セシウムが下流域に下がっているようだ」と話している。 (伊藤弘喜)
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