神奈川学習センター

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お知らせ


4月から、神奈川学習センター所長に就任しました。卒業した大学にそのまま就職し、そこで定年を迎えましたので、今回が私にとって初めての転職経験になります。そんな意味もあって、学習センターでこれから取り組む仕事を楽しみにしています。

勉強は若い学生時代にするものだ、と誰もが考えがちです。しかし、実際は、そうではありません。社会に出ると、日々新たな仕事、未知の仕事に出くわします。その仕事を適切に処理するには、経験豊かな先輩に教えを乞うたり、本を調べたりしなければなりません。

あるいは、企業が用意する各種の研修プログラムを通して、勉強を継続します。特定の先生に特定の授業を聞く学生時代と異なり、社会に出てからは時と場合に応じて、さまざまな人から多種多様な事柄を学習しているのです。だから、社会に出て働く中で、実は、ずいぶんと勉強を続けているのです。仕事をするのは、何らかの新しい価値、独創的な価値を作り出すためですから、学習の継続は必要不可欠なのです。

企業の定年は、60才であったり、65才であったりします。それに対して日本人の平均寿命は、男性が80才に迫り、女性は85才を越えています。60才で定年を迎える男性は、定年後に平均して20年生き続けます。その間、どのように生きるのでしょうか。

趣味を楽しむ人、地域のボランティアに取り組む人、さまざまです。定年後も何かに熱中することによる脳の活性化は必要です。趣味もボランティアも、その活動の中で新しい体験とそれに伴う喜びをもたらしますから、まちがいなく脳を活性化させます。新しい知識を獲得しようとする意欲や獲得した喜びもまた、その活性化に役立ちます。

知的・精神的活動を支える脳の働きと肉体的な活動を支える体の働きは、まったくの別物ではなく、互いに影響を及ぼし合います。昔から、健全な精神は健全な肉体に宿る、と言われていますが、その逆もまた真であり、健全な肉体は健全な精神を宿す、と言い換えることも可能でしょう。定年後も健康な生活を維持するためには、溌剌とした脳の働きによる健全な知的・精神的活動が必要なのです。

放送大学は、10歳代から90歳代に至る幅広い年齢層の学生が、新たな知を吸収する意欲に燃え、集っています。学習によりスキルアップを目指す人、資格の取得を目指す人、豊かな教養を身につけようとする人、知的好奇心を満足させようとする人、多様な目的をもつ人がおられます。年齢と目的の多様性が放送大学の特徴でしょう。多様性を大学としていかに生かすか、それがこれからの課題かもしれません。

神奈川学習センターの課題としては、地域とのさらなる交流を挙げたいと思います。地元・弘明寺、南区との連携、横浜市や神奈川県との連携、それらを課題として持ち続けたいと考えています。もう勉強することはないと考えるようになったなら、その人きっと自分の傲慢さを隠せなくなるでしょう。

もっと勉強しなければと考える人には、どこかに謙虚さがうかがわれるはずです。年代に関わりなく、人は学びによって成長します。神奈川学習センターが、これまで以上に生き生きとした学びの場となることに期待しています。

 平成21年4月

 神奈川学習センター所長  渡邊 愼介

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