随分ひっぱりましたが、銀行編最終回。
手続きも、いよいよ終わりに。
機械の中に書類が吸い込まれていきます。
お、行った行った。
……と思ったら、ズリズリズリズリ…。
戻ってきてしまいました。
「大変申し訳ありません。細かいことなんですが、さきほど携帯電話の番号をお書きになった際に一部書き直しをされた箇所が…」
あ。“携帯”を漢字で書きかけて消したんだった…。
「訂正印ですか」
「おそれいります」
消した手偏の跡にハンコが押され、
今度は無事書類が吸い込まれていきました。
めでたし。
あとは、ATMで通帳を発行。
万事滞りなく完了。
お姉さんは懇切丁寧に応対してくれたのですが、とにもかくにも音声が聞き取りにくかったのは難点でした。
通常の固定電話よりも圧倒的に聞きにくい感じ。
携帯電話よりも聞きにくい印象。
なぜなんでしょう。
そこはそんなに難しい問題じゃない気がするんですが。
音が割れている上、知らない用語を交えての説明が多いの非常に聞きとりづらかった。
かなり集中して耳をそばだてて聞きました。
そんな私の様子が向こうにも見えているのでしょう。
お姉さんも段々前のめりに。
ヘッドセットで話しているので前のめりになっても本当は意味ないんですが、
そこは人間だな〜というところでしょうか。
それで。
なぜにこんな長々書いたかというと、テレビ窓口というのは優れたシステムだなと思いまして。
情報保障ツールとしての可能性は大きいと思います。
銀行がテレビ窓口を導入した理由は色々でしょうが、主だった理由としては、顧客サービス拡充、人員の効率化等のメリットがシステム導入・維持の費用&リスクに勝ったということでしょうか。
人資源の効率利用が実現するからこそ顧客サービスの拡充が可能になるとも言えるかもしれません。
結果、サービス受付時間の大幅な拡大、他支店の口座開設等が可能になりました。
また、これは銀行側がアピールすることはないでしょうが、オペレーターの質が窓口よりも安定しているというのもメリットでしょう。
これらの要素は、情報保障サービスを考える上でもポイントとなる要素です。
現実的に実質的に情報保障の拡充を進める場合には費用対効果の問題は避けられません。
例えば、「すべての救急病院に手話通訳者を」といった要望を見たことがありますが、これは現実的にどうでしょう。
三次救急だけ考えたところで、少なく見積もって全国で年間10億程度必要でしょうか。
どんぶり勘定ですが。
一次救急まで含めるとどうなるか。
手話通訳以外に要約筆記者も、盲ろう者通訳介助者も必要だとなればどうなるか。
この例の妥当性如何はともかく、福祉を考える上で経済観念は必須です。
もちろん、予算がないから無理だという話ではなく、現実に即してきっちり長中期の事業計画を立てていくことが結局のところ最も結果につながる道だと思っています。
理念だけでは事は進みませんので。
スローガン的に言っているというのなら別ですが。
銀行テレビ窓口というシステムを今まで知らなかったのですが、あれだけ実用化が進んでいるのなら、情報保障への応用も現実的じゃないかと思います。
調べてみると、行政窓口含め、テレビ窓口を採用している例は結構ありますね。
システムの仕組自体は難しそうなのでまだ当っていませんが、銀行さんのすることですからセキュリティ面も充分考慮してあるでしょう。
また、上では触れませんでしたが、機械操作面との連動という面も大きなポイントかもしれません。
テレビ電話を利用したサービスだけでも充分に色々利用価値・発展性のあるものですが、専門領域に特化した機器と連動したテレビ窓口システムには、それ以上の発展性がありましょう。
それについて話し出すとキリがないので置いておくとして、どこかにコールセンターを作り通訳者が常勤しているシステムが出来るなら、全国的に24時間ある程度安定した質の情報保障の確保を…ということが可能になってくるのではないかと、銀行テレビ窓口を見て思うわけです。
手話通訳、要約筆記、盲ろう者用点訳要約筆記を利用者の必要に応じてコーディネートする。
考えると楽しみな領域です。
スタッフが限定されれば、目下グレーゾーンである守秘義務の問題もクリアしやすいですし。
実際には、情報保障の世界の予算の桁ではない初期投資が必要でしょうから、単独事業としてシステムに乗せるのは難しい気もしますが、イメージの方向性としては間違ってないと思っています。
IT技術の伸びも視野に入れて、是非いろいろ発想してみませんか。
ということで、長々と失礼をば。
2009年08月23日
銀行テレビ窓口と情報保障 3
posted by guukii at 08:15
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