レビュー
“Bluetoothに対応している”と一言で言っても、そのバージョンや対応プロファイル(接続仕様)によって、接続できる機器や機能は異なる。「ARROWS X LTE F-05D」は、Bluetooth 2.1+Enhanced Data Rate(EDR)に準拠したBluetooth機能を搭載している。昨今のスマートフォンではさらに上のバージョンである3.0や4.0を搭載するものも多くなっているが、市場に出回っているBluetooth機器の多くは2.1までに準拠しているものがほとんどなので、現時点では実使用上の問題はないだろう。
対応機器を左右する搭載プロファイルとしては、HFP、HSP、A2DP、AVRCP、HID、SPP、HDP、OPP、PBAPの9つを搭載している。このうち、音声再生関連のプロファイルは、ヘッドセットやハンズフリー通話のためのHSP(Headset Profile)とHSF(Hands-Free Profile)、音楽ファイルや動画、ワンセグの音声を出力するためのA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)、音声・動画再生時のリモートコントロールをするためのAVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)となる。A2DPについては、ワンセグなどの音声伝送に必要な著作権保護技術“SCMS-T”に対応しているので、同技術に対応しているワイヤレスイヤフォンと組み合わせれば、ワンセグの音声も伝送できる。
HID(Human Interface Device)はその名の通り、人間がコンピューターを操作する際に使うデバイスを接続するためのプロファイルで、キーボードやマウスを接続できる。手持ちのHID準拠のBluetoothキーボードを所定の手順でペアリングしたところ、文字を入力できることを確認できた。
ただし、前回紹介したUSBホスト機能のところでも触れた通り、本機では、HIDに準拠した外付けキーボードを接続した場合の配列が、いわゆるアメリカ英語(ASCII)配列となってしまう。日本語(JIS)配列のキーボードを使うと一部の記号が意図しない記号に置き換わってしまうことがある。例えば、Shiftキーを押しながら2キーを押すと、日本語配列だとダブルクォーテーション「"」が入力されるはずだが、本機ではアメリカ英語配列通りアットマーク「@」が入力されてしまう。それでいて、日本語入力の切り替えは半角/全角キーでできてしまうのには整合性が感じられず、少し困惑した(本来のアメリカ英語配列ではグレーブアクセントキー(`)となる)。外付けキーボードで文字入力ができるという点は非常に便利だが、配列通りにいかないもどかしさは改善の余地があるだろう。
SPP(Serial Port Profile)やHDP (Health Device Profile)は、それぞれ仮想シリアルポート、健康デバイスをサポートするためのプロファイルだ。前者は、一部のAndroid向けをうたったキーボードで使われていることがあり、専用の文字入力ソフトをインストールした上でペアリングすれば使える。後者は、オムロンヘルスケアなどから対応の血圧計・体組成計が製品化されており、ARROWS Xにも「からだライフ」という対応アプリがプリインストールされている。
OPP(Object Push Profile)やPBAP(Phone Book Access Profile)は、名刺やアドレス帳のデータを交換するときに用いるプロファイルだ。Bluetoothを搭載したiモードケータイはOPPプロファイルをおおむね搭載しているので、microSDや赤外線通信だけでなく、このプロファイルを使った通信でもアドレス帳データのコピーや共有ができる。
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