レビュー
NTTドコモの「ARROWS X LTE F-05D」は、国内メーカー初のLTE対応スマートフォンということで、その通信速度はいかほどか気になっている人も多いだろう。そこで、東京都、神奈川県、埼玉県に所在する駅にて、ARROWS X LTEと、3G計測用に用意した「GALAXY SII SC-02C」の通信速度を比較した。いずれもXi(LTE)契約の回線で、Xi契約用のmopera Uアクセスポイント(mopera.net)に接続し、「Speedtest.net」アプリで沖縄・那覇に所在するサーバとの通信速度を計測している。参考に、一部LTEが整備されていない場所での両者の通信速度も掲載する。それぞれ、写真左側がARROWS X LTE、右側がGALAXY S IIでの計測結果だ。
XiとFOMAを比較すると、当然かもしれないが、Xiの方が高速な傾向にある。ただし、Xiの電波が不安定な場所ではFOMAの方がむしろ通信速度が出る、という現象も見受けられた。この現象はXiのエリアが拡大すると解消されるのかもしれない。
実際に使用する上では、Ping値(応答速度)の差の方が、体感上大きく感じられる。Twitterのタイムライン取得、Eメールの送受信、ネット動画の取得など、さまざまな面で通信の応答速度の差が“サクサク感”の差となって現れる。一度Xiで通信してしまうと、FOMAにはできれば戻りたくない……と感じさせるほどだ。
デュアルコアCPUを搭載している上、LTEによる高速通信ができるということで、気になるのはバッテリーの持ちだ。ARROWS X LTEは兄弟機に位置付けられる「REGZA Phone T-01D」と同じバッテリーパックを採用しており、容量は1400mAhだ。公称待受時間はT-01Dが約400時間(3G)なのに対し、本機では約490時間(3G)、約200時間(LTE)で、3GではT-01Dよりも持つ一方、LTEでは半分しか持たないことになる。この差は、実際の利用シーンでも同様なのだろうか。
簡単な実験として、満充電のバッテリーパックを装着したARROWS X LTEを何もしないで自室に放置する実験をしてみた。システム設定で明示的に無効にできる自動同期はすべて無効にし、それ以外の省電力設定は特に行わない(出荷時状態)で、10時間後のバッテリー残量は83%になっていた。
つまり、10時間で17%の電力を消費したことになる。このペースを保つと、約58〜59時間でバッテリーがからっぽになる計算だ。実際に外に持ち出して使うことを考えると、さらに持ち時間が短くなることは想像に難くない。筆者の場合、満充電で外に出かけてTwitterや動画を楽しんでいると、6時間後には残量が20%を切っていることがよくある。特に、FOMAエリアとXiエリアが入り組んでいるような場所や、LTEの電波が不安定と思われる場所に出向くと、減りがいっそう早く感じられる。逆に、LTEの電波が全く入らない場所にいると、幾分か減りが遅くなる印象も受ける。
となると、「通信を3Gに固定できる設定はないのか」という質問も出てきそうだが、結論から言うと用意されていない。3G(FOMA)とLTE(Xi)が一緒くたになっているのだ。ソフトウェアアップデートで3G通信に固定するモードが用意されれば、バッテリー持ちは改善されるだろうが、FOMAネットワークの逼迫状況を考えると、難しいかもしれない。
Copyright© 2012 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!
ドスパラ通販は最短当日出荷!
新商品でもお待たせしません!
さらにパソコンは送料無料!!