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'12/3/31

呉市交通局、31日事業廃止


 71年にわたり呉市民の暮らしに寄り添ってきた市営バスが31日、運行を終える。財政健全化の一環で同日、市交通局が廃止となるため。輸送人員は記録が残る1948年以降で20億9800万人を超える。市は午後3時半に事業廃止式を実施、同11時すぎに運行を終了する。4月からは広島電鉄(広島市中区)がバス事業を引き継ぐ。

 交通局発足は42年12月。旧海軍の要請を受けた市が路面電車を運行する民間企業を買収し、バスも始めた。戦時中は海軍関係者を呉鎮守府、労働者を旧呉海軍工廠に運び、戦後は主要交通基幹として市の復興を支えた。

 造船や製鉄など基幹産業の発展に伴い、45年の5路線は68年度に29路線まで拡大。輸送人員のピークも同年で6400万人余りに達した。

 だが、車社会の到来などで輸送人員や運賃収入は減少をたどる。70年代以降は市の一般会計からの補助金繰り入れが常態化。交通局存続は困難と判断した小村和年市長は2010年、バス事業の民間移譲を表明した。11年度の輸送人員は約1600万人まで落ち込んでいる。




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