厚生労働省は30日、生食用の牛レバー(肝臓)の販売を食品衛生法で禁止する方針を決めた。4月中に禁止案について内閣府の食品安全委員会に評価を依頼し、早ければ6月中にも禁止に踏み切る方針だ。違反すれば、2年以下の懲役か200万円以下の罰金を科すことも可能になる。
この日、同省の薬事・食品衛生審議会の部会が、十分な加熱を義務づける案を了承した。牛の肝臓内部に、重い食中毒を起こすO(オー)157など腸管出血性大腸菌がいることがわかったためだ。
部会がまとめた案は、(1)牛レバーを生食用として販売してはならない(2)牛レバーを調理する場合は、表面ではなく、内部の中心を63度で30分間加熱するか、それと同等以上の加熱殺菌が必要――としている。消費者が牛レバーを生で食べないようにするため、飲食店のメニューや商品などの表示方法の検討を消費者庁に依頼することも求めた。