柏市 東電に28億円余請求3月29日 17時11分
千葉県柏市は、原発事故で広がった放射性物質を取り除く除染や、ごみを燃やしたあとの放射性物質を含んだ焼却灰の保管などにかかった費用の全額に当たる、合わせて28億円余りを東京電力に請求しました。
柏市は、29日午後、東京電力の担当者を市役所に呼び、石黒博副市長が請求書を手渡しました。
請求額は、今年度、放射線対策として市が負担した全額に当たる28億2520万円です。
このうち、放射性物質が付着した学校の校庭や道路の側溝などの土を取り除く除染がおよそ21億5630万円と4分の3を占めています。
柏市は、国の「汚染状況重点調査地域」に指定され、国の財政支援を受けて市内の全域で除染を進めることになります。
国の負担分は確定していないため、今後、差し引かれるということです。
一方、市の焼却施設では、ごみを燃やしたあとの焼却灰から高い濃度の放射性物質が検出され、埋め立てることができない灰をドラム缶に入れて一時的に保管しています。
こうした保管費用としておよそ4億7930万円を請求しています。
さらに、放射性物質の量を測定する機器の購入費として、およそ7750万円が盛り込まれています。
柏市は、今後新たに生じた費用については改めて東京電力に請求することにしています。
請求書を手渡した石黒副市長は「被害を受けたうえに市民の税金を使って対策を行うような現状は容認できず、東電には速やかに支払いを求めたい」と話していました。
東京電力によりますと、千葉県内では流山市や白井市も同じような請求をしているということです。
東京電力千葉補償相談センターの森直人所長は「対応に苦慮する自治体に、いつ、どうやって支払うか明言できず、たいへん申し訳なく思う。原因者として責任をもって対応できるよう努めたい」と話しています。
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