02年に交通事故で田沢湖町(現仙北市)の町立田沢湖病院に運び込まれた男性が死亡したのは、医師の転送判断が遅れたためだったとして、男性の遺族が同市などに計約1億4000万円の損害賠償を求めた控訴審判決が28日、仙台高裁秋田支部であった。卯木誠裁判長は「転送判断の遅れによる過失は認めることができない」として請求を棄却した1審・秋田地裁判決を変更し、仙北市などに対し、遺族に計約2600万円を支払うよう命じた。
判決によると、医師は男性が腰が痛いと訴えていたのに腰を診察せず、死因につながった骨盤骨折の可能性を見過ごしたと指摘。そのために適切な処置のできる別の医療機関へ転送する判断が遅れたとした。男性の死因は骨盤骨折などによる出血性ショックだった。支払額は逸失利益などを算定し、請求額より減額した。
同市は「上告するかどうかは今後検討する」とした。【田原翔一】
毎日新聞 2012年3月29日 地方版
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