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地盤に空気 液状化防ぐ新工法開発3月29日 19時29分
地盤に空気を注入して、地震が起きても土の粒子どうしがかみ合った状態を維持し、液状化現象を防ぐという工法を愛媛大学などの研究グループが開発し、実用化を目指して研究が進められています。
開発したのは、愛媛大学や四国地方整備局などで作る研究グループで、高松市で29日、愛媛大学の岡村未対教授らが会見しました。
液状化は、ふだん、土の粒子どうしがかみ合って、その隙間に水がある状態の地盤が地震の揺れを受け、粒子どうしが離れて水に浮いた状態になることです。
開発された工法は、粒子どうしの隙間に空気を注入するもので、地震の際は空気が圧縮されて体積が減少するので、粒子どうしが離れずにかみ合った状態を維持できるということです。
空気の注入は、掘削機で穴を掘って埋設した管を通して行うということで、実験では、液状化に対する強度が通常の2倍から3倍になった結果が得られたということです。
さらに、これまでの薬剤やセメントを注入して地盤を固めていた工法と比べてもコストを大幅に安くできるということで、広範囲で液状化対策が必要な防潮堤などの港湾施設や空港などで有効だとしています。
研究グループは、実用化を目指してさらに施工方法の合理化やコストダウンについて研究を進めていきたいとしています。
岡村教授は「地盤に空気を注入するという極めて簡単な作業で液状化対策を行える画期的な方法だと思う。ぜひ実現化させたい」と話しています。
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