2012年3月30日
大阪府警福島署で強盗強姦(ごうかん)事件の証拠品のたばこの吸い殻が紛失し、刑事課長だった男性警部(55)らが別の吸い殻で証拠を捏造(ねつぞう)した問題で、警部が「事件は8年間未解決で、犯人は捕まらないと思った」と、動機を説明していることが府警への取材でわかった。
府警は29日、警部と部下の男性警部補(45)を証拠隠滅と虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで書類送検し、警部を停職3カ月、警部補を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にした。警部は依願退職した。
監察室によると、警部補が昨年6月、府警本部の監査に備え証拠品を点検し、強盗強姦事件(2003年3月発生)の容疑者の遺留物とみられる吸い殻の紛失に気づいた。署内を捜したが見あたらず、7月中旬に警部に伝えた。「報告をきっちりした方がいい」と進言したが、警部は「お前は黙っていたらいい」と取り合わなかったとされる。
警部は当初、同じ銘柄の吸い殻を自宅近くのバス停で拾ったと説明していたが、実際には親族から「仕事に使う」と数本をもらっていた。8月上旬の当直勤務の際、署の鑑識作業室で証拠品の写真を見ながらフィルターを切るなどして似た形状に細工し、翌日、警部補に渡したという。