岩手のニュース
JRが岩泉線再開断念の意向 復旧費多額、乗客減が背景
岩手県岩泉町で2010年7月に発生した脱線事故により全線運休が続くJR岩泉線について、JR東日本が運行再開を断念する方向で調整していることが29日、分かった。沿線自治体には復旧費用が多額になることなどを説明し、理解を求めていた。盛岡市で30日開く記者会見で正式発表する見込み。 複数の関係者によると、JR側は復旧工事費が約130億円に上り、乗客減少が続く利用状況に見合わないと判断したとみられる。既に沿線の岩泉町や宮古市を訪れ、判断の背景などを説明した。 県に対してもJR側から説明したいとの要請があったが、県は正式な文書での回答を求めて断ったという。 岩泉町や町観光協会などでつくる岩泉線存続強化促進期成同盟会会長の伊達勝身町長は「岩泉線をやめるとは正式に聞いていない。事実とすれば、対応を考えなくてはいけない」と話した。 岩泉線の事故は10年7月31日朝、岩泉町大川の落石シェルターの出口付近で発生。茂市(宮古市)発岩泉行きの下り普通列車(1両編成)が、崩落していた土砂に乗り上げて脱線、乗客3人と乗務員2人がけがをした。 JRの原因調査検討委員会は昨年12月、岩泉線全線で同様の崩壊の可能性のある斜面が23カ所あると結論付け、JRは本年度内に今後の方向性を示すとしていた。
2012年03月30日金曜日
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