国営カジノに潜り込み、まんまと大金を奪い去ったルパン(山田康雄)と次元(小林清志)。しかし改めて奪った札を見たルパンはガッカリ。すべてが幻の偽札と言われている「ゴート札」だったのだ。巧妙に作られた偽札が国営カジノにまで出回っているとは…。2人は「ゴート札」の出所と言われているヨーロッパの小国・カリオストロ公国に、次のターゲットを定めた。
カリオストロ公国は人口3500人。世界各国の偽造紙幣を武器に国を維持しているという噂が絶えないが、その秘密を暴こうとして帰ってきた者はいないという。そんな暗い噂とは無縁の美しい田舎道でのんびりと車を走らせていたルパンと次元だったが、彼らの前に突然現れたのは、ウエディングドレス姿で車を疾走させる美女。どうやら不審な男たちに追われているようだ。事情はわからないままに、彼女に加勢することにするルパンと次元。しかし結局、彼女はルパンに古びた銀の指輪を託し、別方面から現れた追っ手に連れ去られてしまった。
ヤギの紋章をモチーフにしたその指輪はカリオストロ公国の大公家に伝わるもので、ドレス姿の美女・クラリス(島本須美)は大公家に遺されたひとり娘。国の実権を握るカリオストロ伯爵(石田太郎)から政略結婚を迫られ、彼から逃れようとしていたのだ。カリオストロ伯爵の狙いは、クラリスと結婚して国の利権を名実ともに手に入れること。そして、カリオストロの城に眠ると言われている国の財宝を掘りあてること。その財宝を手に入れるには、伯爵の持つ金の指輪とクラリスの持つ銀の指輪の両方が必要だったのだ。
ルパンと次元は五右ェ門(井上真樹夫)を呼び寄せ、ついでに銭形警部(納谷悟朗)をも召集し、難攻不落のカリオストロ城に潜入。しかしルパンの行くところにこの人あり。召使い姿に変装した不二子(増山江威子)も独自に城に入りこんでいた。不二子の協力のもと、クラリスが幽閉されている塔に忍び込むことに成功したルパンだったが、カリオストロ伯爵とその部下・ジョドー(永井一郎)の手によって地下牢に閉じ込められてしまう。
そこは、400年前からすべての侵入者を飲みこんできた出口なき牢獄。ようやく地下の底にたどりついたルパンの前に、憔悴しきった様子の銭形警部が現れる。彼も城に張り巡らされた罠にひっかかり、地下に落とされてしまっていたのだ。ここを脱出しないことには、逮捕もなにもない。協力して地下牢を抜け出した2人が見たのは、日本円やアメリカドル紙幣をはじめとするありとあらゆる偽造通貨の造幣工場だった。偽札の山に火を放ち、混乱に乗じて城を脱出しようとするルパンと銭形。その煙が次元と五右ェ門、不二子への行動開始の狼煙だった。ルパン救出のために城に向かう次元と五右ェ門。逆に、長居は無用と城からの脱出を決意する不二子。そしてルパンは銭形の助けを得てクラリスのもとへ向かうのだが…。不二子とともに城を脱出しようとした直前、カリオストロ伯爵の攻撃を受け、瀕死の重傷を負ってしまうルパン。彼を捨て身の覚悟で守ろうとしたクラリスと、ルパンが隠し持っていた銀の指輪が、遂にカリオストロ伯爵の手に渡ってしまった!
ようやく目を覚ましたルパンの口から語られる思いがけない過去。彼にとっての恩人でもあるクラリスを救うには、婚礼当日しかチャンスは残っていない。改めて周到に計画を練るルパン。一方、国際警察からゴート札の真相究明を禁じられ意気消沈していた銭形も、不二子の後押しを受け、単独行動に出る覚悟を決めていた。
そして挙式当日。ルパンたちはクラリスを救い出すために、そして銭形はカリオストロ公国の闇を暴くために、最後の賭けに打って出る。最強の敵であるカリオストロ伯爵と、カリオストロの城に隠され続けてきた真実が、彼らを待ち受ける!