大阪市西成区の女性(当時92)を薬物で殺害するよう信奉者の女に命じたとして、殺人罪などに問われた元民生委員で自称霊能者、寺谷均美(てらたに・ひとみ)被告(55)の裁判員裁判の判決が28日、大阪地裁であった。村田健二裁判長は「信奉者の信仰心を逆手に取った」と述べ、求刑通り有期刑で最も重い懲役30年を言い渡した。
判決によると、寺谷被告は信奉者の元介護士(55)=殺人罪などで実刑確定=に「不動明王の言葉」と言い、2007年にヨーグルトや水に混ぜた精神安定剤を女性に与えさせた。肺炎で入院した女性に多量のインスリンを注射させ、殺害した。弁護側は信奉者の単独犯行と訴えたが、「メールなどで指示し、主導的な役割を果たした」と判断した。(岡本玄)