経済

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東京電力:公的資金1兆円の資本注入、午後申請 賠償費追加支援も

 東京電力は29日朝に開いた取締役会で、公的資金による1兆円の資本注入と、福島第1原発事故の賠償金として約8500億円の追加支援の申請を決めた。同日中に政府の原子力損害賠償支援機構に申請する。

 東電が資本注入を申請するのは、原発停止に伴う火力発電の燃料費の増加に加えて、福島第1原発の廃炉や除染などの費用がかさんで、経営が立ちゆかなくなる懸念があるからだ。また、金融機関も東電への新規融資の条件として、資本増強を求めていた。政府は資本注入を実施する代わりに東電の議決権を当初51%、状況によって3分の2以上確保して経営の主導権を握って実質国有化し、東電改革を加速させる。

 賠償金の資金支援の申請は、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会が16日に新たに示した賠償指針を受けて、賠償費用を上積みする必要が生じたため。今回で3回目の申請となるが、認められれば公的資金による支援は原子力損害賠償法に基づく1200億円を含め、計3兆5000億円規模に膨らむ。

 今回申請される資本注入や賠償の追加支援を受けるためには、リストラ策や経営責任などを明記した総合特別事業計画を提出し、枝野幸男経済産業相の認定を得る必要がある。

 機構と東電は当初、3月中に計画を提出し、認定を受ける方針だったが、引責辞任する予定の勝俣恒久会長の後任の人選が難航しており、提出を4月に先送りする。ただ、12年3月期に債務超過になるのを防ぐため、資金支援の申請は月内に行う必要があった。【立山清也、野原大輔】

毎日新聞 2012年3月29日 東京夕刊

 

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