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知事「現段階で運転再開反対」

関西電力が運転再開を目指す福井県にある大飯原子力発電所の2基について、国の原子力安全・保安院は、再開の判断の前提となっている「ストレステスト」の審査結果を原発がない府県では初めて、京都府の山田知事に説明しました。山田知事は、現段階での運転再開に反対する考えを示しました。
京都府庁を訪れた原子力安全・保安院の黒木慎一審議官は、山田知事に対し、隣の福井県にある大飯原発のストレステストの審査結果について説明をしました。
大飯原発の2基をめぐっては、運転再開の判断の前提となっている「ストレステスト」について、原子力安全委員会が、今月23日、全国で初めて、一定の評価をする見解をまとめ、政府が地元の理解を得た上で再開を最終判断することになっています。
保安院の黒木審議官は、大飯原発では東京電力福島第一原発を襲ったような地震と津波が来ても安全性を確保できることを確認したと説明しました。
これに対して山田知事は、「ストレステストはとりあえずやってみましたとしか聞こえない。この段階での再稼働はとても了とできない」と述べるとともに国が福島第一原発の事故を教訓にまとめた30項目の対策がまだ反映されていないとして、現段階での運転再開に反対する考えを示しました。
保安院が、原発がない府県にストレステストの説明を行うのは京都府が初めてです。
山田知事は、原子力安全・保安院から説明を受けた後、記者団に対し、国が福島第一原発事故を教訓にまとめた対策に触れ「原発の安全性について、保安院として新たな基準を作ろうとしていることは評価したいと思う。しかしストレステストとの連動性はないという説明だったので、それはまずいとしかいいようがない」と話しました。
その上で「そのような状況で、なぜ再稼働なのかというのは国民に説明してもらわなければ納得できない。再稼働の判断の前に説明を求めたい」と述べ、保安院として、さらに安全を確保していくべき段階での判断は問題だという考えを示しました。
いっぽう、説明にあたった原子力安全・保安院の黒木慎一 審議官は「ストレステストがどのようなものであるのかという点についてはご理解を得られたと思う。東京電力福島第一原発での事故の教訓として原子力安全・保安院があげた改善すべき30項目について知事から『速やかに実施すべきだ』と指摘された部分については、今後、取り組んでいきたい」と述べた上で、原発の再稼動については政治判断をすることになっているので原子力安全・保安院としてはわからないとしました。
説明が行われた京都府庁の正門前には午前9時半ごろから京都府内で脱原発を呼びかけている人や福島県から京都に避難している人などあわせて30人あまりが集まり横断幕を持って、「大飯原発の再稼働反対」や「政治判断は許せない」などと訴えました。
行動を呼びかけた京都市に住む会社員の西村敦子さんは「東京電力福島第一原発の事故をきっかけに原発の危険性がはっきりしたのだから、原発を無くして、違う形のエネルギーを選択して欲しい。福島の事故の原因究明がなされていないにも関わらず、国は政治判断で再稼働を行おうとしているので反対の立場をアピールしたい」と話していました。

03月29日 16時48分

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