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京都府知事 現段階での再開に反対
3月29日 13時10分

京都府知事 現段階での再開に反対

関西電力が運転再開を目指す福井県にある大飯原子力発電所の2基について、国の原子力安全・保安院は、再開の判断の前提となっている「ストレステスト」の審査結果を原発がない府県では初めて京都府の山田知事に説明しました。
山田知事は「この段階での運転再開はとても了とできない」と述べ、現段階での再開に反対する考えを示しました。

京都府庁を訪れた原子力安全・保安院の黒木慎一審議官は、山田知事に対し、隣の福井県にある大飯原発のストレステストの審査結果について説明をしました。
大飯原発の2基を巡っては、運転再開の判断の前提となっている「ストレステスト」について、原子力安全委員会が今月23日、全国で初めて一定の評価をする見解をまとめ、政府が地元の理解を得たうえで再開を最終判断することになっています。
保安院の黒木審議官は、大飯原発では東京電力福島第一原発を襲ったような地震と津波がきても安全性を確保できることを確認したと説明しました。
これに対して山田知事は「ストレステストはとりあえずやってみましたとしか聞こえない。この段階での運転再開はとても了とできない」と述べたうえで、国が福島第一原発の事故を教訓にまとめた30項目の対策がまだ反映されていないとして、現段階での再開に反対する考えを示しました。
保安院が、原発がない府県にストレステストの説明を行うのは京都府が初めてです。

原子力安全・保安院から説明を受けた山田知事は「原発の安全性について、保安院として新たな基準を作ろうとしていることは評価したいと思う。しかし、ストレステストとの連動性はないという説明で、それはまずいとしかいいようがない」と話しました。
そのうえで、「そのような状況でなぜ運転再開なのか、国民に説明してもらわなければ納得できない。再開の判断の前に説明を求めたい」と述べました。

原子力安全・保安院の黒木慎一審議官は「ストレステストがどのようなものであるのかという点については理解を得られたと思う。福島第一原発での事故の教訓として保安院が挙げた改善すべき30項目について、山田知事から『速やかに実施すべきだ』と指摘されたので、今後、取り組んでいきたい」と述べたうえで、原発の運転再開については「政治判断するので、保安院としては分からない」と説明しました。

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