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保安院 隣接の京都・滋賀に説明
3月29日 19時8分

保安院 隣接の京都・滋賀に説明
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関西電力が運転再開を目指す、福井県にある大飯原子力発電所の2基について、国の原子力安全・保安院は、再開の判断の前提となっている「ストレステスト」の審査結果を福井県の隣の京都府と滋賀県に説明しました。
京都府の山田知事は運転再開に反対する考えを示し、滋賀県の嘉田知事も再開に慎重な姿勢を示しました。

原子力安全・保安院の黒木慎一審議官は、午前中、京都府庁を訪れ、山田知事に対し、隣の福井県にある大飯原発のストレステストの審査結果について説明をしました。
大飯原発の2基を巡っては、運転再開の判断の前提となっている「ストレステスト」について、原子力安全委員会が今月23日、全国で初めて一定の評価をする見解をまとめ、政府が地元の理解を得たうえで再開を最終判断することになっています。
保安院の黒木審議官は、大飯原発では東京電力福島第一原発を襲ったような地震と津波がきても安全性を確保できることを確認したと説明しました。
これに対して山田知事は「ストレステストは『とりあえずやってみました』としか聞こえない。この段階での運転再開はとても了とできない」と述べ、現段階での再開に反対する考えを示しました。
保安院の黒木審議官は、昼すぎから滋賀県庁を訪れ、嘉田知事にも説明しました。
これに対して嘉田知事は「福島第一原発の事故の原因や被害が究明できていないのに、なぜ安全対策が取れるのか理解できない」と述べ、事故の教訓をもとにした安全基準を示したうえで十分な説明を行うよう求めました。
また、嘉田知事は、説明を受けたあと報道陣に対し、「運転再開についてはそう早く判断できる状態ではない」と述べて、再開に慎重な姿勢を示しました。
また、滋賀県や京都府、それに大阪府などの2府5県が参加した関西広域連合としても、政府に対し十分な説明などを求める申し入れを29日付けで行ったことを説明し、安全対策を確認するため、京都府の山田知事などと共に大飯原発を視察したいという意向を伝えました。
保安院が、原発がない自治体にストレステストの説明を行ったのは、京都府と滋賀県が初めてです。
原発の運転再開を巡っては、政府が理解を求める地元の範囲が明確にされていないなかで、京都府や滋賀県といった原発がない自治体の声を政府がどう受け止めていくのかが注目されています。

嘉田知事への説明のあと、原子力安全・保安院の黒木慎一審議官は記者団に対し、「質疑応答ではかなり幅広いお話をいただいた。関西広域連合としての申し入れやそれに対する知事の思いはしっかり大臣に伝える」と話した一方、原発の運転再開については、「政治的に判断するということになっているので、保安院として申し上げられる立場にはない」と話しました。

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