茨城沿岸のヒラメ 水揚げ自粛へ3月29日 7時34分
ヒラメの全国有数の産地、茨城県で、北茨城市沿岸で取れたヒラメから来月導入される国の新たな基準値を超える放射性セシウムが検出され、沿岸の漁協でつくる組合は、茨城県沿岸の全域でヒラメの水揚げを自粛することになりました。
茨城県によりますと、このヒラメは22日に北茨城市沿岸で取れたもので、1キログラム当たり100ベクレルを上回る137ベクレルの放射性セシウムが検出されました。
魚を含む一般食品の放射性セシウムの基準値は来月から今の5分の1の1キログラム当たり100ベクレルへと厳しくなりますが、茨城県沿岸の漁協でつくる組合は、新しい基準を超える魚が出たら県内沿岸の全域で水揚げを自粛する独自の規制を27日から始めたばかりで、この規制に従って茨城県の沿岸全域でヒラメの水揚げを自粛することになりました。
農林水産省によりますと、茨城県はヒラメの漁獲量がおととし全国4位と有数の産地で、水揚げの自粛は漁業者などに深刻な影響を与えそうです。
また、茨城県によりますと、ヒラメのほか、県北部で取れたババガレイから100ベクレルを超える放射性セシウムが、県中央部でとれたイシガレイから50ベクレルを超える放射性セシウムが新たに検出されました。
この結果、沿岸全域で水揚げを自粛する魚は10種類、海域を限定して水揚げを自粛する魚は8種類となりました。
茨城のヒラメは高級魚
茨城県近海でとれるヒラメは「常磐もの」と呼ばれ、品質がよいため、市場で高く評価されてきました。
うす造りやあら煮、えんがわの刺身などとして食べられ、東京・築地の魚市場での平成21年の取引平均価格は1キログラム当たり1478円と、高級魚として位置づけられています。
茨城県の近海でとれる魚ではシラスなどと並ぶ主力の魚種で、「県の魚」にも指定されています。
農林水産省によりますと、おととしの漁獲量は380トンで全国4位。
平成21年の漁獲高は3億6300万円に上ります。
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