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雨水利用施設から放射性物質

横浜市立の18の小中学校で、雨水を再利用するため地下の貯水槽に沈殿した砂から、国の基準を超える放射性セシウムが検出され、横浜市教育委員会は同じタイプの貯水槽がある44の学校で雨水の利用を取りやめる措置を取りました。
横浜市教育委員会は、学校の地下にある雨水をためる貯水槽の放射性物質を調べるよう、汚泥処理業者から依頼があったことを受けて、貯水槽に沈殿した砂の調査を行いました。
その結果、横浜市鶴見区の末吉小学校の貯水槽に沈殿した砂から、1キログラムあたり1万6800ベクレルの放射性セシウムが検出されたのをはじめ、あわせて18の学校で国の基準で埋め立て処理が出来ない、1キログラムあたり8000ベクレルを超える放射性セシウムが検出されました。
これらの貯水槽は学校の地下にあり、雨水をためてポンプで屋上のタンクにくみ上げたあと各階にある水洗トイレ用の水として利用していました。
横浜市教育委員会は、児童や生徒が地下の施設に近づく恐れがないうえ、調査の結果、貯水槽からくみ上げた水洗トイレの水の放射性セシウムは検出の限界値を下回り、トイレの中の放射線量も問題のない値だったとして、児童や生徒への健康の影響はないとみています。その一方で、放射性セシウムを含む貯水槽の砂を取り出しても保管する場所がなく、貯水槽に保管するしかないとして、同じタイプの貯水槽がある市立の44の学校のすべての貯水槽で雨水の再利用をやめる措置を取りました。
この間、トイレの水には上水道の水を使い貯水槽を今後どうするか対応を検討するということです。地下貯水槽の土砂から1万6000ベクレルを超える放射性セシウムが検出された、横浜市鶴見区の小学校に孫が通っているという64歳の女性は「びっくりした。小さい子どもには長い目でみたときにどういう影響があるかわからないので心配だ」と話していました。また、この春に息子が同じ小学校に入学予定だという38歳の女性は「子どもが集団生活を送るところなので、ちゃんと取り除いてもらいたい」と話しています。
18校のうちもっとも高い濃度の放射性物質が検出された横浜市鶴見区の末吉小学校の小松規久夫校長は「これまでの校内の雨どいなどの放射線の検査では、高い値は出ていなかったのでびっくりしている。子どもたちが不安に感じることなく、毎日の生活を送れるよう、教育委員会と相談してきちんとした対応をとっていきたい」と話していました。

03月29日 19時39分

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