海外に定住する韓国人に韓国の国政選挙の投票を認める「在外選挙制度」が導入され、初めての国会議員選挙の投票が28日、始まった。関西の在日韓国人が運動し、実現した制度で、関西でも投票した人たちは1票の重みをかみしめていた。投票は来月2日まで。
この制度の道を開いたのは、在日韓国人2世で08年に56歳で亡くなった兵庫県三田市の李健雨(リコヌ)さんら。在外韓国人の国政選挙の参政権を求めて韓国憲法裁判所に訴え、07年に権利を認めさせた。
事前に登録した19歳以上の在外韓国人が、大統領選挙と国会議員選挙(比例代表)で投票できるようになった。
この日、駐大阪韓国総領事館(大阪市中央区)では午前8時に投票がスタート。戦時下に12歳で来日した大阪府守口市の権基柱(クンキヂュウ)さん(85)は「死ぬまでにはと思い続けて来た投票を果たせてうれしい」。李さんと活動をともにした神戸市の金信〓(キムシニョン)さん(59)は同市内で投票を済ませ、「生まれて初めての投票で、うれしさとともに責任の重さも感じる。制度は始まったばかりで、まだまだ改善の余地がある」と話した。
総領事館によると、兵庫県を除く近畿2府3県の管内で選挙人登録したのは、有権者約14万人のうち2・79%にとどまっている。【川口裕之、平川哲也】
毎日新聞 2012年3月28日 大阪夕刊
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