4月の韓国の総選挙から導入される在外投票が28日、本国に先立って始まり、日本国内の大使館・各総領事館などには日本に住む韓国人が続々と投票に訪れた。在日韓国人らは日本では選挙権がないため、1票の重みをかみしめていた。
在日コリアンへの理解を求めて95年から選挙権付与に向けた運動が続けられてきた。在外韓国人の参政権を求めてきた「在日韓国人本国参政権連絡会議」の金信*(キム・シニョン、*は金へんに庸)議長代理は、この日午前、神戸市内で投票した。「59年間生きてきて初めての投票。祖国の政治や社会にどう関わっていくかと考えると緊張した」と感慨深げに話した。
運動の先頭に立っていた李健雨(リ・コヌ)さん(故人)らと韓国の憲法裁判所に訴訟を起こし、07年6月に違憲判決を勝ち取った。09年2月の韓国の公職選挙法改正で投票が可能となった。
東京都新宿区の駐日韓国大使館韓国文化院に設けられた在外投票所では、元BC級戦犯者らでつくる「同進会」会長の李鶴来(イ・ハンネ)さん(87)が妻と訪れた。李さんは「私たちは長い間、祖国でも日本でも政治参加がはばまれていた」と語った。
投票所は全国10カ所で4月2日まで。12月には大統領選挙がある。【大貫智子、明珍美紀】
毎日新聞 2012年3月28日 12時23分(最終更新 3月28日 12時39分)
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