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大入島めぐる訴訟 終結へ

佐伯市の大入島を埋め立てる事業に大分県が多額の公金を支出するのは違法だとして地元の住民が支出の差し止めを求めた裁判で、2審の福岡高等裁判所は28日、「県は事業を休止していて、支出の違法性を判断できない」などとして住民側の訴えを退けました。
住民側と県側はいずれも上告しない考えを示し、事業をめぐって長く争われてきた一連の裁判はすべて終わることになりました。
佐伯市の大入島の海岸沿いを県が埋め立てる事業をめぐっては、地元の住民たちが、事業に経済的な合理性はなく県が47億円の公金を支出するのは違法だとして広瀬知事に対して支出の差し止めを求め、1審の大分地方裁判所は訴えを退ける判決を言い渡したため、住民側が控訴していました。
その後、大分県は「住民の理解が得られない中、事業の内容を見直し、当面、大入島で埋め立てをする必要がなくなった」として事業をいったん休止する判断をしました。
2審の福岡高等裁判所で28日開かれた裁判で木村元昭裁判長は、「大分県は事業を休止し、当面、予算を計上しないとしている。現段階で支出の違法性を判断することはできない」などとして、住民側の訴えを退けました。
判決のあと、住民側と県側はいずれも最高裁判所に上告しない考えを示しました。
判決について大分県の広瀬知事は、「佐伯港の整備は、水深14メートルの岸壁の供用開始を最優先に進めている。大入島の埋め立てについてはその岸壁の供用が始まったあとの船の運航状況などを勘案しながら判断したい」というコメントを出しました。
また、原告の住民の代表と弁護士は福岡市内で会見し、弁護団の事務局長を務めている田中利武弁護士は「大分県の事業休止の判断は事実上、埋め立て計画を撤回したもので、その内容を踏まえたこの判決は事実上の『勝訴判決』と評価できる」と話しました。
また、住民の代表の下川善信さんは「県からは『白紙撤回』というきちっとした言葉が欲しかった。事業の撤回を求める闘争で家族親戚がみんなばらばらになってしまい、行政の一方的なやり方で地域がねじれてしまった」と話し、県のこれまでの姿勢を改めて批判しました。
大入島の埋め立て事業をめぐっては、反対する地元の住民が、平成13年から全部で5つの裁判を起こしてきましたが、10年余りにわたった一連の裁判は、これですべて終わることになります。

03月29日 08時54分

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