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【社会】

マザック秘密流出、逮捕前日に出国計画 

2012年3月28日 16時02分

 世界大手の工作機械メーカー「ヤマザキマザック」(愛知県大口町)の中国人社員による設計図面のデータ流出事件で、不正競争防止法違反容疑で逮捕された唐博容疑者(31)が、逮捕前日の26日に中国へ渡航しようとしていたことが、捜査関係者への取材で分かった。県警は、会社の先端技術情報を海外に持ち出そうとしていた可能性があるとみて、動機や第三者への漏えいの有無を調べる。

 県警などによると、唐容疑者は今月12日に突然、退職を申し出た。不審に思った会社が16日、県警に「情報が漏えいする可能性がある」と相談。捜査関係者によると、唐容疑者は26日の航空券を購入していたが、県警が19日の家宅捜索でパスポートを押収したため、渡航できなかった。

 県警への取材では、データ持ち出しが始まった今年1月以降、唐容疑者が海外に渡航した形跡はない。唐容疑者は退職を申し出た後に「父親の容体が悪いから中国に帰りたい」と説明する一方、周囲には「別の日系会社に転職する」と話していたとされ、競合会社に技術情報を持ち込む狙いだった可能性もある。

 会社などによると、流出したのは建設機械やエレベーターの部品製造に使われる複数の機種の図面データや販売価格情報などで、一部は軍事転用も可能。社用パソコンに私用ハードディスク(HD)をつなぐ不審な行動を同僚が目撃していた。

 捜査関係者によると、持ち出したデータは1万件を超える。県警は家宅捜索で押収したHDや私用パソコンを解析している。唐容疑者は「HDのデータを初期化した」と供述している。

(中日新聞)

 

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