中国・チベット自治区では28日、「チベット100万農奴解放記念日」を迎えた。同自治区のパドマ・チョリン主席は27日夜、記念日に際してテレビ演説を行い、共産党の指導によるチベット発展の成果を強調した。中国人民ラジオ局が報じた。
同主席は53年前の1959年3月28日が「新旧チベットの分水嶺(れい)」とし、共産党が100万人の農奴を指導して「世界で最後の封建農奴制を打ち破」り、農奴たちを社会主義の輝かしい道へと歩ませたと語った。
そのうえで「53年間でチベットの経済、社会は全面的な発展を遂げた」とし、2011年の国内総生産(GDP)と一般財政予算がそれぞれ1959年の93.9倍、48.5倍となったことや、人口が当時の約123万人から303万人まで増加したことを「実績」として示した。さらに、教育制度の充実やチベット籍大学生の就職、社会保障制度の整備などが進み、平均寿命が当時の35.5歳から67歳にまで延びたとも語った。
同主席は「中国共産党の指導により社会主義の道を歩んだことで初めて、チベットに明るい未来が開けた」と共産党の功績を強調するとともに、「国家統一を断固守ってこそ、チベットは飛躍的発展と長期的な治安の安定を実現することができる。ダライ・ラマやそのグループがどんな手を繰り出そうとも、チベット人民の分裂反対、国家統一の強い意志は変わらない」とした。
「チベット100万農奴解放記念日」は08年の大規模暴動後、09年1月に同自治区人民代表大会が議決、制定したもので、今年で4回目。28日には首府・ラサ市を中心に座談会や演芸など記念イベントが催される。(編集担当:柳川俊之)