大阪府が、JR大阪駅南側の大阪駅前ビル(第1~第4、大阪市北区)を取り壊し、跡地に公園を建設する都市改造プランを検討していることが分かった。府はメーンストリート・御堂筋や大阪駅北側の「うめきた」も公園とする方針を打ち出しており、実現すれば市街地に巨大な緑地帯が出現する形になる。
府のグランドデザイン・プロジェクトチーム(PT)が29日の府市統合本部で示す都市構造の見直し案「グランドデザイン・大阪」の骨子案に盛り込む方針だ。「緑が少ない」と指摘される大阪市街地を緑豊かな「暮らしの場」に変貌させ、人口流入を進める狙いがある。市中心部を東西に貫く「中央大通」と、その上を通る阪神高速13号の一部を廃止し、全面公園化する構想も同時に打ち出す。
駅前第1~第4ビルは、大阪市が駅前再開発事業の一環で60年代~80年代にかけて建築・分譲し、各ビルには約300~約600の店舗や事務所が入居する。府案では老朽化が進む第1ビル(1969年完成)と第2ビル(76年完成)は、15年をめどに解体。跡地に植樹するなどして公園を造成し、さらに50年をめどに第3、第4の両ビルについても解体・撤去し公園とする。完成すれば、梅田の中心市街地に約3万5000平方メートルの公園が誕生する。
阪高13号は信濃橋~(農人のうにん)橋間の約1キロを撤去し、中央大通は車道の地下化も想定する。阪高の高架下に約1キロにわたり商店が軒を連ねる「船場センタービル」の撤去も今後検討する。
PTは御堂筋の車道を撤廃し、公園とする方針を既に打ち出している。【堀文彦】
毎日新聞 2012年3月28日 15時00分(最終更新 3月28日 19時11分)
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