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大御所先生は、あの患者さんは神かもしれない、と言いました。
そして、ギリシャ神話の、「2本の木」の話を始めました(目玉医者流に脚色)・・・
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昔々、フリギアというところに、ピレモン爺さんとバウキス婆さんがおりました。
ある晩、そこに、二人の疲れた旅人がやってきて、一晩の宿を請いました。
実は、その二人、人間に姿を変えた、ゼウス神と息子のへルメス神でした。
二人は、人間の世の善良度を調査していたのです・・・
夜遅く、フリギアの家々の前に立って、扉が開かれるのを待ちましたが、ほとんどの家はそれを無視し、ピレモンとバウキスの家だけが、二人を迎え入れました。
老夫婦は決して裕福ではありませんでしたが、心をこめて旅人を接待しました。
やがて、酒をついでいる時、甕の中の酒が減るどころか、増えているのを見つけ、旅人が神であることに気付いた。
老夫婦は神々に向かってひざまずき、粗末なもてなしを詫びた。
すると、神々は、二人を丘の上に誘った・・・
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丘の上に立って見下ろすと、洪水が村を押し流していた。
しかし、老夫婦の家だけは無事で、それがみるみるうちに神殿になっていった。
神々は言った・・・
「あの不親切な村は滅びなくてはならぬ。しかし、お前達だけは許されるだろう。そして、願い事をかなえてあげるから、言ってみたまえ」
二人はよく相談した結果、次のような望みを述べた。
今後はあの神殿の門番として働き、最後に、二人を同時にこの世から去らせて下さい。ピレモンはバウキスの死を、バウキスはピレモンの死を嘆きたくはないから、と。
そして、二人はかなり長い間、門番として働き、ある日・・・
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バウキスは、ピレモンの体から、葉がふきだしているのを見た。
ピレモンは、バウキスの体から、葉がふきだしているのを見た。
やがて、樹冠が二人の頭をおおい始めた。
二人は、ついにその時が来たことを知った。
二人は、この世を惜しむように語り続けた。
そして、「さらば我が妻よ」、「さらば我が夫よ」、と二人が同時に言った時、
二人の口は、硬い樹皮でおおわれた・・・
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フリギア地方には、今も、ピレモンの樫の木と、バウキスの菩提樹が、仲良く並んで、立っているんだとさ・・・
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「だから、あのばあさんは神だったんだよ。統合失調症のばあさんに身を変えて、人間どもの親切度をチェックしていたんだ。不親切だったやつらはこれから痛い目に遭うだろうが、あんたはきっといいことがあるよ」
「ふーん、本当ですか。それは楽しみだなあ」
そして、大御所先生は、次のように付け加えた。
「私だったら、この話を、名エッセーに仕立てあげられるんだがなあ」
なるほど、これは大御所先生好みの話だったんですね〜
(注)大御所先生の論文は数千、著作は数百と言われている・・・
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この日、僕は何かいいことがあるだろうかと、待っていたのですが、特にそのようなことはなかったとように思います。
雪が雨に変わった日で、駅前の段差でちょっとすべり、足首をひねってシクシク痛んだことぐらいしか、思い出せないなあ・・・
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次回、大御所先生と目玉医者が、「感情」について雑談します♪
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(写真):上は樫(ピレモン)、下は菩提樹(バウキス)
(ランドスケーププランツ ワールドグリーン出版 より)
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‥‥「さらば我が妻よ」、「さらば我が夫よ」、と二人が同時に言った時、二人の口は、硬い樹皮でおおわれた・・・
このあたりで、涙がでました。
この老夫婦くらいの年齢になる頃には、こんな夫婦でいられてるのか‥‥。たまたま、朝から主人が機嫌を損ねて、無言で職場に行った‥。こんな事、よくあることなのですが、何だか情けなくなります。‥‥‥ちょっと、お恥ずかしいお話しをしてしまいましたが、気を取り直して。先生には、きっと、ちゃんといいことが待ってますよ^^間違いなく‥‥‥。
2008/1/27(日) 午前 10:56
話がズレますが、大御所先生の論文が数千、というのに驚愕しました。何百年、生きていられるのでしょう?
2008/1/27(日) 午前 11:38 [ 遠い蒼空 ]
えりっぺさん、なかなかいいお話ですよね。ギリシャ神話には、人間が樹木に変身する話がいくつか出てきますが、どれも素敵です。月桂樹になった話もありましたよ→
http://blogs.yahoo.co.jp/slowlifeeye/3476126.html
2008/1/27(日) 午後 3:38
「蒼空」さん、もちろん、共著も含めてです。それにしても、凄い数ですね。一時は、数ヶ月で確か4000枚の原稿を書いたことがある、とおっしゃっておられました。でも、最近は、そういう数値には、驚かなくてもいいんじゃないかな、と思うようになりました・・・
2008/1/27(日) 午後 3:42
4000枚!私はこれまでに多分1000枚くらい書いただけです(笑)。
2008/1/27(日) 午後 6:55 [ 遠い蒼空 ]
神話ほど顕かではないけれど、それでも何かしらの幸福が目玉医者さんに訪れていた
…そう思いたいなぁ。
私も同じ願いごとをしたいです。それが無理ならば、夫より1週間だけ長生きしたいです。
2008/1/27(日) 午後 10:46
「蒼空」さん、4000枚には4000枚の、1000枚には1000枚の、それぞれの良さがあるということで・・・。4000枚、長すぎて、出版社の方も困ったみたいですよ(笑)。
2008/1/27(日) 午後 10:58
リリカさん、ありがとうございます。確かに、いつかそれに気付くかもしれませんね。1週間後に、というところ、大阪のバウキスさんを感じましたよ♪
2008/1/27(日) 午後 11:03
目玉医者さま この神話、知っていたつもりだったのですが、目玉医者さんの筆にかかると、感動が深いものになりますね ♪ 「いいこと」は・・・この患者さんが「神様」じゃないの?と気がついて、お二人がちょっとわくわくした瞬間のことだったんじゃないかな・・なんて思いました。次回も楽しみにしています。
2008/1/27(日) 午後 11:36
先日、素盞嗚尊(スサノオノミコト)を少しネットで調べていて出雲にある八重垣神社にでくわしました。前回のフリから、その八重垣神社にある「夫婦椿」を思いおこしていたんですよ。行く機会があれば、ピレモンとバウキスの二本の木の話を思い起こしながら対峙してみたいものです。もち、狛犬様にもお会いしたいし〜、がはは。。。噫。
2008/1/27(日) 午後 11:59
調べずに記事をじっとお待ちしておりました(笑)
なるほど、そういうお話だったのですね。いいお話です。
ご自身の眼鏡を差し出された・・、目玉医者さまのご判断はここでも冴えがあります。大御所先生もきっと目を細められてこのお話をなさったのでしょう。
2008/1/28(月) 午前 9:38
きりんさん、この神話、ご存知でしたか。そうですね、ちょっとワクワクしながら、あっという間にギリシャ神話の世界に飛んだりして、十分、いいことありました♪ 足首のシクシクも、治りました♪♪
2008/1/28(月) 午後 10:51
歩さん、そこ、行ったことあるよ! ただ、秋だったので、椿の記憶はありません。狛犬もちゃんと見てません。ただ、古い社と、沼と、神域という感じの暗い林を覚えています。写真を探してみますネ♪
2008/1/28(月) 午後 10:56
mamanさん、じっくり待って下さって、ありがとうございます(笑)。はい、大御所先生の知識の宝庫を刺激できて良かったです。また刺激して、面白いお話を聞かせていただくよう、頑張ってみます♪
2008/1/28(月) 午後 11:06
ひゃひゃ〜!それは楽しみ。センセが行かれていた(イカれているのではなく、がはは)。これはなんとしても行かねば。センセの足跡にタッチしまくりたいでッス♪
メガネから繋がってきているのですね。いとおかし、あなかしこ(アレ?)☆。。。噫。
2008/1/29(火) 午前 1:22
あーヘルメスとゼウスでしたか、訪れたのは!そして目玉医者さんに、すてきな出来事がありますように・・・♪あるに、きまってます!
2008/1/29(火) 午後 6:51
歩さん、写真、見つかったよ。今度、出してみるネ♪
2008/1/29(火) 午後 8:31
ひとみどんの記憶、大体合ってましたね。こっちは全然知らなかったんだから・・・。すてきな出来事・・・、こうしてたくさんの素敵なコメントをいただいているだけで、十分素敵なんですけど・・・ネ♪
2008/1/29(火) 午後 8:35