グーグル(東京都港区、有馬誠代表取締役、03・6384・9000)は、米グーグルがインターネット経由で世界展開しているクラウド基盤の貸し出しサービス「アップ・エンジン」を日本で本格展開する。企業や自治体を対象とする法人向け事業の目玉として、2012年中に国内サポート体制を整備。企業が作成したウェブアプリケーション(応用ソフト)をクラウド基盤で預かり、稼働率などをサービス品質契約で保証し、企業が安心して利用できるようにする。
アップ・エンジンはアプリケーションを稼働させるためのストレージ(外部記憶装置)や中央演算装置(CPU)などのIT資源を時間単位で提供する。ストレージ容量や月間接続回数が一定水準以下ならば無料で利用できる。
試しサービスとしては、最大500メガバイトのストレージ容量、月間約500万の接続回数に対応できるCPUと帯域幅を用意した。
契約後は99・95%のサービス品質契約の保証とサポートが付いて、無料枠を超えた分について月額500ドル(約4万1500円)から利用できる。
アップ・エンジンで提供するクラウド基盤の貸し出しサービスは、米アマゾン・ドット・コムなどが先行。グーグルは「パイソン」と呼ぶ独自のプログラム言語を使用していたため、この分野で後れをとっていた。その後「Java」などのオープン言語にも対応し、2011年からサービス提供に乗り出している。
企業向けの「エンタープライズ事業」は、一般消費者向けでサービス品質を磨き上げたうえで、企業向けに求められるセキュリティーやアクセス制御などきめ細かな機能を実装。アプリケーションサービス「アップス」などを有償提供している。