慰安婦:野田首相「平和の碑の記述、事実と乖離」

在韓日本大使館前に建てられた平和の碑の記述めぐり「妄言」

 日本の野田佳彦首相が、ソウル市内の在韓日本大使館前に建てられた従軍慰安婦問題を象徴する銅像「平和の碑」をめぐり、記述されている内容が事実と異なると発言し、論争が予想されている。

 野田首相は26日の参議院予算委員会で「平和の碑」に書かれた「日本軍の性的奴隷問題」との表現について「正確なことが記されているかというと、(事実と)大きく乖離(かいり)している」と述べた。産経新聞が27日付で報じた。

 野田首相の発言は、自民党の山谷えり子議員の質問に対する答弁の中で出たものだ。野田首相は、昨年12月に行われた李明博(イ・ミョンバク)大統領との首脳会談で、平和の碑の早期撤去を求めた点も強調した。

 山谷議員はまた、米国ニュージャージー州で韓国人の多い地域とされるパラセイズパーク市の公立図書館前に設置された慰安婦の碑の記述についても「日本帝国政府軍によって拉致された20万人以上の女性と少女」と記されているとして、問題を提起した。これに対し野田首相は「(慰安婦の碑に記された内容は)数値と経緯を含め、根拠がないのではないか」と不快感を表明した、と産経新聞は報じている。

 この問題をめぐり、玄葉光一郞外相は「パラセイズパーク市は住民の3分の1が韓国系で、米国で最も多い。引き続き注目し、適切に対応したい」と述べた。

 また同紙によると、玄葉外相は日本政府による慰安婦の強制連行について「証拠は出ていないが、否定はできない」と述べ、慰安婦募集に日本の官憲が加担したとして「強制連行」を認めた1993年の河野洋平官房長官談話を踏襲する考えを表明したという。

李漢洙(イ・ハンス)記者
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