東京電力は27日、4月から実施を予定している企業向け電気料金の17%値上げについて、対象となる契約者の約87%が値上げに同意していないと発表した。東電は値上げによる増収を年4000億円程度と見込んでいたが、値上げが思うように進まないことなどで、3000億円程度にとどまる見通しだ。
また東電は、契約満了日が値上げを発表した1月17日から今月30日までの契約者については、4月1日からの値上げに同意が得られない場合は値上げを1年間先送りして、現行料金を継続することも明らかにした。
今回の値上げを巡る対応について、会見した高津浩明常務は「非常に不親切だった。おわびしたい」と陳謝した。
4月1日以降の値上げ対象となるのは、契約電力50キロワット以上の工場や事務所など約23万7000件。このうち3万150件しか値上げに同意していないという。この同意分の中にも、東電の説明不足で、契約更新までは現行料金が続けられることを知らなかった契約者が含まれているとみられる。東電は、改めて契約者に値上げ実施日について確認する作業を進める。
また、東電の一方的な値上げ発表・実施への反発から、4月1日に更新を迎える約5万件のうち、約1700件は更新そのものを拒否しているという。
契約者の理解が進まない現状に、高津常務は「粘り強く交渉していきたい」と説明。値上げに納得できずに料金不払いとなった場合は、検針日翌日から50日で東電が電気供給をストップできるルールはあるが、「不払いだからといって、すぐに供給をやめることはない」とも話し、あくまで説明を徹底することで値上げへの理解を得たい考えだ。【立山清也】
毎日新聞 2012年3月28日 東京朝刊
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