東京電力は27日、福島第一原発2号機の格納容器内で毎時72.9シーベルトの放射線を観測したと発表した。炉心溶融事故を起こした1〜3号機の格納容器内で、放射線を直接測定したのは初めて。人は容易に近づけず、遠隔操作の機器も故障するおそれのある強い放射線で、今後の廃炉作業の難しさが改めて浮き彫りになった。
東電は27日、工業用内視鏡を格納容器の底部まで入れて8カ所で放射線量を測定した。底から約4.2メートルの場所で最高値の72.9シーベルトを記録した。
事故後、福島第一原発で最も高い放射線量が観測されたのは、昨年8月に1、2号機の主排気筒付近の配管で観測された毎時10シーベルト超。ベントの影響で燃料の一部が漏れたためとみられるが、今回はそれをはるかに上回り、人が数分間浴びると死亡する値だ。