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事件
【東日本大震災】避難決断で迷い「天災と人災両方」 児童74人死亡、大川小検証報告書
2012.1.22 22:31
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東日本大震災で児童74人と教諭10人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校の遺族らへの説明会が22日開かれ、市教委は検証報告書を公表した。説明会は3回目で約7カ月半ぶり。市教委が関係者から聴取した結果、地震直後から津波襲来までの間、避難先をめぐって、学校側と住民側で意見が分かれ、裏山への避難が見送られた経緯が明らかになった。
境直彦教育長は「天災と人災、両方の面があったと思う。学校として津波への危機意識を高めておくべきだった」と謝罪した。当時、児童らと一緒に避難していたが、津波から逃れて助かった男性教諭が昨年6月に保護者や校長にあてた手紙も朗読された。
報告書によると、児童らはまず校庭に避難。校舎の裏山に二次避難することを目指す同校教頭と、「津波はここまで来ない」として、それより低地で山崩れの心配がない三角地帯への避難を主張する地元の行政区長との間でさまざまなやり取りが交わされた。裏山以外にも避難先の候補は浮かんでは消えたようだ。
津波が来る約15分前には広報車で訪れた市職員が「体育館はどうか」と打診。学校側は「電球などが落ちてくるので危ない」と拒んだ。校舎の2階なども検討されたが、最終的に三角地帯に避難が始まった。
調査担当者は個人的見解と断ったうえで「校庭に居続けるか山に逃げるかの2択しかなかったのが問題。山は木が倒れ、崩れる心配があるので校庭に居続けたのではないか」と話した。
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