東京都が進める築地市場(中央区)の移転計画をめぐり、2009年都議選で「強引な移転に反対」を公約にした都議会民主党は27日、移転を容認する方針を固めた。同日未明の議員総会で、移転費用を含めた都の新年度予算案に賛成することを確認した。
総会では移転容認への反対論も出たが、移転先(江東区豊洲地区)の土壌汚染対策を都が万全に行うことなどを条件に、予算案に賛成することが決まった。移転賛成の自民、公明などが議会で多数を占めているが、最大会派の民主が移転を受け入れることで、14年度の移転がほぼ確実となる。
民主党は、水産仲卸業者らが移転を拒んでいることや、ベンゼンなどの土壌汚染を理由に、10年度予算案は「築地での再整備検討」を条件に賛成し、11年度の移転予算案は反対した経緯がある。だが、築地場外に鮮魚マーケットの新設が決まり、仲卸業者の団体が都側との移転協議を始めることなどから、移転を容認することになった。