豊橋市など東三河の市民らでつくるグループ「東北応援団・東三河」が3月末、福島第1原発事故で被災した福島県南相馬市福浦小学校の6年生17人全員を、卒業旅行として渥美半島に招待する。同校は原発から北へ13キロの警戒区域内にあり、事故後、全員が顔をそろえるのは初めて。グループ代表の喫茶店経営山口清之(せいじ)さん(27)=豊橋市下条東町=は「心温まる日々をプレゼントしたい」と話す。
福浦小は1学年1学級の小規模校で、現在は南相馬市内の鹿島小に間借りしている。6年生17人のうち9人は福島市や茨城県日立市、大阪府など避難先の学校に転校した。
東北応援団・東三河はこれまで被災地に野菜を送ったり、現地でボランティア活動したりと支援をしてきた。山口さんは今年1月、知人を通じて「放射能で子どもの外出時間が制限される。離れ離れになった6年生が集まって外で思い切り遊ぶ機会があれば」と児童の母親が話しているのを知り、卒業旅行を企画した。
旅行は31日から4泊5日の計画。児童は田原市内のフリースクール「ゆずりは学園」や江比間野外活動センターに宿泊。保護者も参加し、運動会などの催しや登山を楽しむ。
東北応援団・東三河は卒業旅行の費用を計100万円と見積もり、寄付を呼び掛けて集まった。
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