コメンテーターズ　優勝の２年前をほうふつとさせる勝ち方

　優勝した一昨年のグランパスを思い出すような勝ち方だった。前半はイージーミスが相次いで、いいところがまったくなかった。それでもハーフタイムにストイコビッチ監督が修正して、後半は一変。チームに躍動感が出て新潟を圧倒した。

　苦しみながらも、勝負どころを逃さないのは、優勝した時の勝ちパターンと似ている。チームとしての上積みを感じるのは、当時はいなかった永井や藤本がいても、同じ雰囲気が出ているところだ。故障を抱えた藤本、吉村らを使って勝ったことも大きな意味がある。負ければ、控え選手の気持ちも含めて、大きなダメージを受けるリスクがあった。

　藤本は周囲を使うプレーで貢献していたが、自分でゴールに向かう動きは遠慮していたところを見ると、まだベストの状態ではない。小川や中村も、これから調子を上げてくる。その間に、昨年は先発する機会が少なかった金崎、永井が自信を持ってプレーするようになってきた。コンディションのいい選手がそろってくれば、優勝した時以上の分厚い戦力になるだろう。　（愛知東邦大監督、元グランパスＤＦ・藤川久孝）