全力で跳ぶべき瞬間を、FWケネディは待っていた。腰の痛みから本調子とは程遠く、前半はぶつかり合いを避けるようなプレーに終始。しかし後半22分、左サイドをドリブルで崩した玉田のクロスを、DF2人に挟まれながら頭で合わせた。「玉田がいいボールをくれて、私が私の場所で仕事をした」。結果的に決勝点となる2点目をたたき込んだ。
ハーフタイムには指揮官から交代を打診されたが、ケネディは続行を直訴した。「確かに強くは当たれなかった。ただ、ACLの試合よりも連係が良くなってると感じていたんだ。だから無理をする必要もなかった」。後半4分にはドリブルで仕掛けて結果的に金崎の先制点をアシストし、「ムウは速かったね」と苦笑い。つかんでいた手応えを信じた前線の大黒柱は、厳しい現状でのベストプレーで勝利をもたらした。 (宮崎厚志)