2012年3月23日(金) 23:23 | 147 views
「慰安婦」(行雲流水)
大戦中、洗濯の行き帰り「慰安婦」が休んだという岩に銘板「アリランの碑」がはめこまれている。その後ろに、女性たちを悼み、戦争のない世界を祈る内容の碑文が、12の言語でつづられた2本の碑が建っている。その中央には「女たちへ・平和を愛する人たちへ」の碑もある。2008年、上野字野原に建立された祈念碑だ
▼宮古島に日本軍「慰安婦」の祈念碑を建てる会(共同代表・尹貞玉(ユンジョンオク)が、全国的な支援を受けて建立したものである。韓国・沖縄・日本「慰安婦」問題共同調査団は、宮古には16カ所の「慰安所」の存在を確認。県内では130カ所余知られている
▼看護婦の仕事があるなどとだまされ、あるいは強制連行されるなど、日本軍の性暴力被害を受けた女性たちだ
▼07年、米下院本会議は、従軍慰安婦問題をめぐり日本政府に公式謝罪を求める決議案を可決。「慰安婦制度は日本政府による強制的売春」「一部教科書や公職にある者が問題を軽視」など6項目が決議案の骨子となっている
▼今、第32軍司令部壕説明板問題で熱い論議が交わされている。説明板から「慰安婦」「住民虐殺」の記述削除に、平和ガイドや平和教育関係の10団体が、削除撤回を求めて抗議。県は「現段階の研究では第32軍司令部壕で慰安婦の存在や住民虐殺があったという確証が得られない」と応酬。「沖縄戦の実相の歪曲につながる」と反論
▼戦後60有余年、復帰40年、普天間米軍基地問題も併せて、沖縄の行く末が案じられる。「慰安婦」「住民虐殺」などが死語になる日が来てはならない。