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異議あり! 有給休暇 - 守井 嘉朗

僕は経営者として以前から疑問に思っていることがあります。それは有給休暇という制度に対してです。

お勤めの方と経営者側ではそもそも180度見解が違うものですが、僕にとってはこの有給休暇ほど、不思議な制度はありません。

なぜなら、「働かないのに給料がもらえる」ということと、それが「労働者の当然の権利」と言われていることに対して、率直に「ありえない」と思うからです。
労働者側から有給休暇の申請をされれば、経営者側は時期の要望は出来たとしても原則、拒むことはできません。そんなことしたら、労働基準監督署などから大変なお叱りをうけるでしょう。

僕は病気の時などの致し方ない時は、もちろんお休みしていただいたうえでお給料を保証するのは、必要なことだと思います。

でも、それはあくまで会社側と好意というか、「何とかしてあげたい」というスタッフへの気持ちから行われるもので、有給をもらったスタッフは「おかげさまでありがとうございました」という関係でなければないと思っています。
困った時に良くしてもらった分を会社に返そうと思うから、してあげた方もされた方もハッピーになるのだと思うのです。

ですが、現状は違います。「当然の権利」と言われても、休んだ人の分をほかの誰かが働いているからお給料が出ているのであって、国や県など行政が「有給取っていただいてありがとうございます。これはその方の給料分のお金です」と言って給与補填でもしてくれているならともかく、「当然もらえるもの」と言われると、企業の成り立ちの根本が分かっていないと感じるのです。

パートタイマーの有給の取得も現場では意外と問題になりますが、時間から時間までの契約で働いているパートタイマーが、なんで有給を消化しなくちゃないのか、はなはだ疑問です。

僕は、こういう制度をつくったのは、人を雇って商いを回している企業経営の実態を知らない事務方の人だと思います。僕らのように店頭のスタッフのスケジュール管理で必死になっている現場の苦労とは、程遠いところで考えられたひどい制度だと思います。

日本の経済はかつて世界でNO.1と言われ、同時に労働者は働き過ぎとも言われ、その結果、労働者を守る色々な制度ができました。そして人々の意識はあまり働かない方向に変わってきました。その結果が、現在の日本です。

年収はどんどん下がり、人々の将来への不安はつのるばかり・・・。働かなくてもお金をもらえることを考えるような世の中では、そうなるのはむしろ当たり前だと僕は思います。

国の未来を明るく変えるためには、全ての人が一生懸命働かなくてはならない。単純にそう思うのです。

働かなくても守られるのではなく、働いてより多く得られるようにする方向に社会制度と人々の労働観を変えていかなければ、日本に未来はないと思います。
(仙台市・ビックママ社長 守井嘉朗)

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