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大阪市:市長選での組合作成リストは捏造 市交通局が発表

 大阪市交通局職員でつくる「大阪交通労働組合」(大交)が昨年の市長選で平松邦夫前市長の推薦人紹介カードの配布リストを作成したと指摘される問題があり、市交通局は26日、このリストは30代の男性非常勤嘱託職員(非組合員)が選挙後に捏造(ねつぞう)したものだったと発表した。この職員しか使用していない業務用パソコンにリスト作成の履歴が残っていたため断定した。同局は偽計業務妨害容疑で刑事告発することも検討している。

 リストは、市交通局鉄道事業本部に所属する職員1867人分の氏名や職員コード、紹介カード回収の有無などが記され、全部で34枚あった。

 橋下徹市長が代表を務める「大阪維新の会」所属の杉村幸太郎市議が先月、内部告発で入手したとして市議会などで「交通局と組合が組織ぐるみで市長選に関与していたことを裏付けるものだ」と追及。大交は今月2日、「でっち上げだ」として無印公文書偽造などの容疑で容疑者を特定せず大阪地検に告発し、維新市議団も同14日に地方公務員法(守秘義務)違反容疑などで同地検に告発していた。

 同局が全業務用パソコン約3200台の履歴を調査し、今年1月23日午前、この職員が使用しているパソコンで作成されたことを突き止めた。職員は内部調査に当初は「作成していない」と否定したが、履歴が残っていると指摘されると言葉に詰まり、明確に否定しなくなったという。

 杉村市議はこれまでの取材に「非常勤嘱託職員から告発を受けた」と説明。同局内の非常勤嘱託職員は二十数人しかおらず、同局は、捏造した職員と杉村市議にリストを渡した職員が同一の可能性もあるとみて、調査の継続も検討する。

 職員は昨年5月から1年間の契約で採用。鉄道事業本部で事務補助を担当している。橋下市長は26日、報道陣に対し「トップとして本当に申し訳なく思う」と陳謝した。【津久井達、原田啓之】

毎日新聞 2012年3月26日 23時25分

 

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